単身オペ室殴りこみ実習


今日は受け持ち患者さんが手術の日だったので、
私一緒に行かせていただきました。


今回はひとりきりなので、
誰かに任せたりとか、誰かに背中押してもらったりとか、
そういうことが一切出来ない孤独な戦い・・・
超緊張


ところが、もともと孤立していたせいか
ひとりでもそんなにつらくはなく、
むしろ気楽で楽しかったです。



それでも最初は緊張してナースセンターへ入り、
そしたら患者さんはもう入ってるってことで、
そっちに行けって言うから、
「えぇ・・・ひとりで自動ドア開けてオペ室はいるのかぁ」
と大緊張。けどラッキーなことに
麻酔科の先生がオペ室に入るところだったので、
さりげなく後ろについて一緒にオペ室in
あとは看護師さんが声をかけてくれたので安心です。
術者は、
泌尿器の講義も教えてもらっている野田先生、
長身で常にスーツを着ていてA型にしか見えない宮城先生、
背が高くサバサバハキハキしている女医の南先生
と、泌尿器科の先生が集結。
いよいよオペの始まりです。


患者さんが麻酔麻酔導入して、オペの準備が整って、
看護師さんの手があいてから手洗いに行きました。
シャコシャコやっているうちに
やっぱり無の境地へ・・・
途中手の甲を洗い忘れるなんてハプニングもありましたが、
かなりスムーズに出来るし、やるじゃん自分♪みたいな。
一通り洗って、すすぎ。
指先から肘に向かってずゎっと水をかけ、
そしてそのまま


ブラシ入れに接触事故( ̄ロ ̄;)!!


もちろん最初から洗い直しです。



そうしてやっとこさ手を洗い、ガウンを着て手袋をはめて、
オペ覗き込み開始。
すでに切られていたので、早速お腹の中を覗かせてもらいました。


おおっ(感動)



何がどれとかはよく分かんないけど、

すご〜〜〜〜〜い♡


そして早速先生から質問が。
野田先生「これはなんだ?」
私(なんだろう、泌尿器のオペだし、尿管か何かかな)
  「・・・」
宮城先生「青森と函館をつないでいるものはなんだ?」
私(・・・へ?トンネルとか?)「・・・」
野田先生「君がなろうとしているものはなんだ?」
私(看護師だけど・・・こんなことも分かんないで
  看護師になるつもりか、とか言いたいのかな)
  「・・・」
野田先生「正解は精管でした」
私「あぁ(納得)。尿管かと思いました」
宮城先生「君は尿管(看)護師になるのか」
野田先生「泌尿器で働くか」


こんな感じで先生方はとっても気さくです。
ちょっとリラックス。
ちなみに先生のヒントは、
宮城先生が青函トンネル
野田先生は正看護師(看護師には正看護師と准看護師がいて、
正看護師は略して正看といいます)です。
かなり分かりにくいヒントです・・・


手術の方はといいますと、
術野が狭いのでカメラも使いながらの手術だったので、
遠慮がちな私でも手術の様子がよく見れたし、
血管とか膀胱とか触らせてもらい、
リンパ節とか神経とか見せてもらい、
かなり解剖学の勉強になりました。
先生達も面白くて、
いや〜ん♡とか、バカ〜♡とか言ったりして、
かなりハイテンション。
宮城先生の真後ろにライトがあって、
なんか後光さしてるみたいじゃない?
なんて言って仏様のポーズをとってみたり、
そんなだから何回もライトに頭をぶつけて、
いた〜い♡とか、ちょっとぉ♡なんて言ってて
(注:宮城先生は決してそういう趣の方ではありません)
かなり笑いながらのオペで、
気付けば私の緊張はすっかりとれておりました。
先生方に感謝です。


途中アクシデントも発生。
突然患者さんの尿が飛び散ったのです。
この方はHCV(+)なのでさぁ大変。
私と宮城先生はゴーグルみたいな透明な板のガードをしていて、
野田先生は眼鏡をしていたのでとりあえず無事。
ところが何もしていなかった南先生はちょっとピンチ。
野田先生と宮城先生の命令を受けて洗眼へ。
こういうこと(患者さんの体液が飛び散る)って本当にあるんだぁ
なんて思いつつ、尿って血液よりちょっと抵抗あるかも
なんて思ったり、いいものを見れたような気がしておりました。
某番組ではしょっちゅう、そして思いっきり血液を顔に浴びて、
「バカ、しっかり止血しろ!!」とか上の先生に怒鳴られて、
そのままオペ続行なんてシーンがありましたが、
あれはやっぱりドラマなんだなーと思いました。
そのときもやっぱり宮城先生は、
雨の日のフロントガラスみたいになっているガードを
拭いて〜♡前が見えない〜♡って言って
看護師さんに拭いてもらっていました。


そんなこんなで南先生のいた場所が開き、
私がそこに行けることになったんです。
患者さんの足の間に立ち、
南先生の代わりにちょっとお仕事。

はぁ・・・しあわせ♡


なかなか戻ってこない南先生に、
宮城先生「南はまだ戻ってこないのか?」
看護師さん「今センガンしてます」
宮城先生「何?あいつ顔洗ってんの?」
看護師さん「違いますよ先生、目のほうの洗眼ですよ」
宮城先生「なんだ、お色直しでもしてくんのかと思った」
私はとりあえず笑顔。
っていってもマスクしてるから分かんないんですけどね。


そしていよいよ前立腺摘出のとき。
野田先生「じゃあ君がとりあげるか」
宮城先生「産まれる〜♡
野田先生「さぁ、くるよ〜」
宮城先生「やめて〜♡
野田先生「引っぱっててね」
私「はい」
宮城先生「出しちゃだめだよ」
私「え?!」
宮城先生「気をつけてよ」
私「は・・・はいっ」手をゆるめる
野田先生「引っぱってて」
私「はい?!(混乱)」
野田先生「さぁ取れた」
宮城先生「いや〜ん♡
私「おお」
私の手の先、チューブにぶら下がって、
前立腺出産
前立腺摘出。


思わず見とれる私。
だいたい親指と人差し指で輪っかをつくった位の大きさで、
硬くて弾力性があって、
スーパーボールみたい。
落としたら弾んで戻ってきそう。
私が気に入ったのが分かったらしく、
「しばらく見てていいよ」と宮城先生に言われ、
思う存分前立腺を堪能。


そして南先生ご帰還。手は使えないので、足でドアを蹴って
開けてとお願いするしかありません。
宮城先生「ほら、早くしろって南がキレてるぞ」
確かに、そんな風に見えなくもありません。


そして私は、ガウンを着た南先生と
場所を交代すべく背中を向けようとした瞬間、
止まれ!!」の大合唱。
私硬直。
忘れていました。背中は不潔野ということ。
そして、
清潔野に背を向けてはいけないという鉄則は覚えていたのですが、
清潔野は器械類だけでなく、
患者さんも清潔野だということはすっかり忘れておりました。
野田先生の、「一歩下がる」「まわれ右」に合わせて
ロボットみたいに動きつつ、
前立腺を看護師さんに託し、南先生に場所を交代。
気がゆるんだところへ宮城先生から「手は下げない」
と言われ、シャキーンと手を胸の前へ。
反省です。
先生ってホント、よく見てますね。
あと、ホントやさしくて、私が突っ立って見てると、
「手ついてていいよ(患者さんの足に)、疲れちゃうから」
なんて、最近ご無沙汰だったやさしさに泣くかと思いましたよ。


あとは縫合がメインです。
終わりに近づいてきて、ちょっと淋しい。
糸を結ぶたび切るたびに「いやん♡やめて♡」なんて言う宮城先生。
宮城先生「南は縛るの大スキだろ」
南先生「私は縛られる方がスキです」
なんて会話もありました。


南先生は器具の名前も教えてくれました。
南先生「これがクーパー」
    「ほらみて、先っちょになんかついてるのがあるでしょ。
     でもこっちはついてないの」
私「へぇ・・・。先生これはなんって言うんですか?」
南先生「ペヨンジュン
私「へぇ・・・、・・・へ?」
宮城先生「林家ペー
私「????」
南先生「ペアンね(注:たぶん。私にはそう聞こえた)」
私「あぁ(安心)」


さらに、
南先生「これが溶ける糸、で、こっちが溶けない糸」
私「へぇ・・・」まじまじと見つめる
南先生「持って帰れば?」
野田先生「それ、あっためたら溶けるよ」
私「ほんとですか」
宮城先生「孵化させて♡
私「・・・」


そして、
野田先生「さぁお仕事です」
私「はぁ・・・」
野田先生「こっちにいらっしゃい」
そして南先生と場所を交代。
患者さんの足の間に立って、渡される器械。
これは・・・ホチキスみたいに皮膚を縫合するやつ。
名前忘れた・・・


やっていいの?


ホント?




やった〜〜〜(>∀<〃)〜〜♪♪



そして野田先生にガイドされながら
パチンパチンと縫合させてもらいました。
間隔がバラバラで見た目はイマイチでしたが、
とても満足です。


感想はひとこと




最っ高〜〜〜〜〜!!



決して楽しむことが目標の実習ではないのですが、
本当に楽しかった。また見たい。
唯一残念だったのは、
麻酔をきって意識の戻った患者さんに声をかけていたら
いつのまにか野田先生と南先生が消えていて、
宮城先生がひとり、野球の練習・・・


しまった(;皿;)ムンテラか!!


ガーン( ̄□ ̄|||)


聞きたかったのになー・・・


これからオペに入る友達たちに、

先生から眼を離すべからず
と申し送りしておきました。


最後はお世話になった看護師さんと宮城先生にお礼を言って、
廊下で会った野田先生にもお礼を言って、
いつの間に出て行ったのか、
更衣室に外から入って来た南先生にもお礼を言って、
みんなに感謝の気持ちを伝えて手術見学終了。


本当に楽しくて、いい思い出になりました。
やっぱり外科は楽しいゾ♪
単純な性格なので、
オペ室で働きたいなんて思ってしまいました。
別にオペ室で働いたところで色々説明してもらったり
臓器触らせてもらえるわけじゃないんですけどね。