ただいまナリ


患者さんと一緒に病室に戻ると、さっそく家族がお出迎え。
看護師さんのきつめの言葉でようやく病室の外へ出た娘さんと奥さん、
ロビーで待っててって言ったのにばっちり廊下に待機しています。
技師さんが来てポータブルのレントゲンを撮ってるときも、
メモを片手に病室を覗き込んでいる娘さん。

そんなに近くにいると放射線飛んでくるよ!!
と、気の長い根岸さんもさすがにあきれてしまっとさ。


とにかくこの一家はすごいです。
今朝も看護師さんが点滴するのに、
処置をするので外へ出てほしいと言っても聞いてもらえず、
血管が細すぎて1度失敗すると、
娘さんの視線に耐えかねて他の看護師さんに代わってもらってたし、
胃管を入れるときもやっぱり出て行かずに、
メモを片手にじっと監視。
怖すぎる・・・
看護師さんは、
「今日は娘さんだけじゃなくて奥さんも来るんでしょ、
一体どうなるんだろうね、怖〜い」
なんて言っていたくらい。



帰室時と15分後のバイタルは時間勝負なので看護師さんが行い、
30分後から私が行えることになりました。
といてもふたりの厳しい眼が光り、バイタルとるだけなのに
ものすごい緊張感
血圧計のゴム管がステートにひっかかってつぶれ、
ゴム球のねじを全開にしてもまったく圧が抜けない。
もう、訳が分からず軽いパニック状態。
そしてふとした瞬間にゴム管の圧迫が取れて、
水銀は急降下。結局はかり直し。
怖くて娘さんの顔は見れませんでした。


その後も2回ほどそんなことを繰り返し、
次は記録です。
看護師さんに教えてもらいながら、数字的なものや
そのときの様子を言葉で書いていきます。


そして、


国家試験が終わったら、
ボールペン習字を習おう


そう決めました。カルテを書くのに字が幼いと
やっぱりカッコ悪いです。


その後も検査結果を写したり、
なんやかやとやっているうちに時間は6:50
学校は7時までなのでそろそろ帰らないとヤバいです。
てか、6:30過ぎる場合は学校に電話しなければならないのですが、
電話は苦手なので、無視。
今日は担当の先生は出張でいないし、
同じグループのメンバーはもう帰ってるだろうし、
私が帰ってないってことに誰も気付かないだろうから
電話しなくてもバレないだろうと判断いたしました。



けっこうクールなつもりなのに、
いっつもこんなに遅くまで残ってて、
なんか超ガンバってる子みたいになってるようで、
帰りの挨拶とかすると、
看護師さんも先生もみんな挨拶を返してくれます。
こんなことが、疲れた心に優しくしみてきます。