それは突然やって来る


病理解剖


なんとかその前に同定を終わらせてしまいたくて
がんばってみていたから
トイレに行く暇もなく始まりました


久しぶりに着た滅菌ガウンは
若干着方を忘れていて悲しかったです
まぁ滅菌である必要はないので
どこを触っても問題はないのですけれども
先生方のガウンと後ろの合わせが逆で
一緒に行った子のガウンを着せてあげたこともあって
自分間違ったか?
って気が気じゃなかったのですが
やっぱりつくりが違ったみたいで
私は間違っていなかった


と思う


先生方のガウンはマスクが一体化されていて
超画期的と思って感動しました
普通のマスクとガウンじゃ首が無防備だけれど
これなら完璧ね☆みたいな


そして結核菌用のマスク初体験
とても息苦しい



さてさて
解剖の方はといいますと
難しいことはよく分からなかったのですが
とっても解剖学の勉強になりました


なんか日本語が変だ


臓器の形とか色とか位置とか
実際はこんな感じなんだな、とか
パーツでしか知らなかったものが
他と絡めつつ分かったりとか


また意味が分からない文章


まぁそんな感じだったのです



終わったのは1時半
戻ったらみんなに
具合悪くならなかった?
お昼食べられた?
って聞かれたのですがまったく問題無し
むしろ見ているときからお腹が空いていて
何回か鳴ったし
欲を言えばもっと近くで見たかったし
触ってもみたかったなとか思っているのです
やっぱり教科書を読むより
実物を見た方がイメージしやすいし
記憶にも残る気がする



患者さんはまだ30代の若い方で
同意のサインをしていたのが奥さんで
30代くらいならまだカップル的なラブラブな感じも
残ってたんじゃないかと思うし
きっとふたりでいろんな未来を
思い描いたりしていたんだろうな
から始まって
子どもはいるのかな
いるとしたらまだ小さいよね、とか
どんな仕事してたんだろうな、とか
どんな生活してたのかな、とか
何がすきだったのかな、とか
この人の人生どんなだったんだろうって
考えていたら
なんだかちょっとセンチな気分になってきて


後で聞いた話ではまだ幼い子がいるみたいで
成長とか見てるのは嬉しかっただろうし
楽しみだったろうし
これから人生本番みたいな感じだったんじゃないかと思うし
家族はこれからどうするんだろう、とか
途方に暮れてるんじゃないか、とか
一瞬のようでもあり
とてつもなく長い時間でもあったんだろうな、とか
突然過ぎてまだ混乱してるかもしれない、とか
それなのに解剖させろとか言われて
もしかしたら今承諾したことを後悔してるかもしれない、とか
いろいろ


本当に人生何が起こるか分からない出来事が
最近身の回りでちょいちょいある気がする


ちらっとカルテの経過を見た限りでは
朝突然意識がなくなってそのまま
みたいな感じだったらしくて
きっと昨日朝起きて仕事に行って帰って来てご飯を食べて
もしかしたら子どもとお風呂に入ったかもしれないし
きっと何もかもがいつも通りで
家族も仕事先の人とかももちろん本人も
誰も死ぬなんて思ってなかっただろうし
ホントに今日元気だからって
明日も元気でいられるかどうかなんて
分からないなと思った次第であります


解剖すると顔とか腕とか足とかけっこう血がつくのですが
それは誰が綺麗にするんでしょう
できれば綺麗に拭いてあげたいなぁとか思ってみたり


いろいろ思うところあった病理解剖
あるたびにふたりずつくらいで見に行けるらしいです
今回は基礎的なところで感嘆驚嘆へぇの連続だったので
次は病理解剖の目的に沿った見方ができればなぁと思います
待ち望みはしないですけれども
生きててもらえれば
それが1番