下心


それが恋というもので。


たぶんそう遠くないいつか、
別館に異動になるのですけれども。


別館がいやなわけではなくて、
不慣れなところへ行くのがいやなわけで。


それよりもなによりも、
わたしのいいひととの関わり合いが、
別館では一切ないことがいやなんだろうなって、


今日、
わたしのいいひとから患者さんの引き継ぎを受けて、
はっきりと分かったのであります。


本館では日常の、
患者さんを送ったり、送られたり、
検査の調整をしたり。
そんなことが、
別館ではまったくないのですね。



なるほど


あさましい


いやらしい


はらぐろい


THE 俗


生命の源だわよ。


仕事中の唯一の楽しみ
心の支えみたいになってしまってね。
すれ違うことすらないことが分かっている日なんて、
どうやって過ごしたらいいのかしら。


なんとなく、
居場所を見失ってぷかぷか漂っている感じ。


危険な香り